RICOH
AF-80 DATE

ある雑誌の森山大道特集で、森山が使用していたカメラとしてリコーのAF-80があった。
なるほどな、と思った。
AF-80の特長は、測距がオートフォーカスに加えゾーンフォーカス可能であり、さらにこれがレンズ周辺部のレバーで簡単に切り替えることができる点である。これがスナップでどれだけ威力を発揮するか、少しカメラ撮影の知識がある人ならよく分かってもらえると思う。さらにフラッシュの強制発光、発光禁止が上部ダイヤルで設定できる点も優れている。パワー・オフにするとこの設定がキャンセルされるカメラが実に多いのだが、これはあまりカメラに慣れていない人への配慮なのだろうか。
さらに優れた点を挙げれば、巻き上げ音が静かなことも特筆に価する。バッテリーが単三電池なのも評価できる。
とにかくとても使い勝手の良いカメラである。何と言っても主要な操作がダイヤル式なのが良い。もちろん惜しい点もある。露出補正が全くできないこと。フィルム感度設定が手動であればと思うが、そういうカメラは不便だというユーザーが世間では多いのだろう。
少し残念に思うのはその描写だ。低価格のカメラだから過剰な期待はできないものの、30mm F3.9の3群3枚レンズは、リコーのカメラにしては画像周辺部の写りがよろしくない。MF-1に搭載されているレンズと同じだという話を聞いたことがある。これがトリプレットの味わいと言えなくも無いが...
ミニ三脚とリモートスイッチとのキット販売だったようだがこれらは所持していない。

森山大道が如何なる経緯でこのカメラを使うようになったのかは知らない。カメラに頓着しないというイメージがあるが、その選択は流石にプロである。
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